『 終わりよければすべてよし 』

 

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 前号に続き、とあるマンション建替事業の話。

 そのマンションで建替え決議が95%を超える圧倒的支持で採択されたのが3年前の初夏でした。その夏8月に消費税増税法案が可決され2年後の春に消費税を5%から8%に上げることが決定します。さらに世の中的には東日本大震災復興で公共事業の予算規模が膨らみジワジワと建築費が上がり始めました。そしてその年末に自民党安倍政権誕生。大幅金融緩和とアベノミクス効果により一気に建築費高騰が噴き出てきました。

 2年前の年明けの2月に4社の本見積書を開札してびっくり仰天、4社とも予算を何と20%以上も上回った金額でした。それも各社わずか5ヶ月前に提出されていた概算見積りでほぼ予算内に収まる見積もりを提出していたのにもかかわらず…です。

2年後の今でこそ、建築費高騰の問題はオリンピックの新国立競技場問題等で一般の皆さんにも広く知れわたることとなりましたが、当時はデフレからの脱却を安倍内閣が掲げたばかりの頃。諸物価すべてデフレと言われているのに、建築費だけ上がっているなんてありえない!騙された!といった声が理事会、緊急説明会や臨時総会の席で次々と出てきました。ラプロス、デベロッパー、執行部の皆さんまで「嘘つき!」呼ばわりされ、一時期は本当に険悪な雰囲気でした。

そこでの解決策に王道はありませんでした。理事長をはじめ理事の皆さん、デベロッパー担当者、建設会社、関係者皆で毎週、いや毎日のように膝詰め談義というか空雑巾を絞るように知恵をしぼり解決案を協議しました。結局『公平性の高い三方一両損』案で何とか乗り切り事業は再び軌道に戻りました。

 そんなことがあり、今年6月の竣工祝賀会を迎えたわけです。理事長は挨拶の途中に当時のいろんな折衝や苦労心労が頭をよぎったのでしょう、ぐっと声を詰まらせる場面がありました。僕もそれを見てぐっとこみあげてきました。そして、その次に挨拶に立ったデベロッパーの住宅事業本部長もその理事長の涙にもらい泣き…。プロフェッショナルであるデバロッパーの事業責任者が竣工式典の挨拶で涙を流す場面にそう出会えるものではありませんよ。僕も30年の業界歴で自分が関わって竣工した分譲マンションは100棟を超えますが、ここまでぐっ!ときたのは初めてです。理事長をはじめ理事の皆さんの思いとそれを繋いでいったデベロッパーの責任者と担当者、そして設計事務所と建設会社の責任者と担当者、まさに関わった皆さんのこの事業に対する思い入れがすべて凝縮された瞬間であったように思います。その時間を建替事業に関わった 皆さんと共有できた僕は本当に幸せ者です…。

足掛け5年―この建替事業に汗を流して本当に 良かった!と心より思いました。

9年前にラプロス が初めてマンション建替え法を使って建替えた 時の、S理事長の名刺に書いていた僕の大好きな 言葉で2号にわたる建替事業の話を締めたいと 思います。

≪出会いに感謝!≫

代表取締役 樋口繁樹

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