この原稿を書いている今はソチ五輪まっただ中。葛西選手がジャンプのラージヒルで銀メダルを取って、日本中というか、ヨーロッパ中が湧いているところです。41歳で7回目のオリンピックで個人初のメダル。それだけでも凄い!と感動しているのに、その後の記者会見で、金メダルを取りたい、それも団体ではなく個人で!と言っちゃいました。それって凄すぎませんか?もし4年後、8年後出場したら、45歳49歳のアスリートです。 

僕はサッカーでいえば中田ヒデよりカズの生きざまの方が好きです。引き際が大事なのはその通りですが、好きで選んだ道は全うしたいという、シンプルな考えで貫かれている。もちろん、今回の葛西選手のこともメディアは家族のためにとかドラマチックに取材しています。でも、本人は長野五輪での悔しさを胸に刻んで、結果を出そうと這いつくばってやってきているわけです。プロの世界ですから、運、不運はもちろんあるけど、自己責任(高梨沙羅選手の〝無常の風″のようなこともあるのですがそれも勝負のアヤでしょう)。ゴルフやマラソンなどのスポーツと違って、年齢なりの続け方、取り組み方(シニアの部があるとか、タイムのハードルを下げるとか)があるスポーツではありません。瞬発力、バネ、柔らかさなど、加齢が100%不利になるわけですから、かっこよく勝ち続けることは不可能に近いでしょうね。本人も頭では理解しよう思っていると思うのです。でも、やる。やり続ける。そこには結果だけではなく、そのアスリートの人そのもの、というか〝生き様″が表現されていて、観ている者に感動を与えますよね。テニスでは伊達公子。相撲では魁皇。皆に共通しているのは、ファンだけではなく同じ選手やスポーツ界の人たちから愛されていることですよね。仕事人、ビジネスマンでもそうありたい。どうも、僕は職人気質のロマンチストに惹かれる、というかホロッときてしまうんですよね。

中学から高校生の頃、プロ野球球団『東京メッツ』の岩田鉄五郎という野球選手がいました。といっても水島新司の野球漫画「野球狂の詩」の中での話です。投げた後ぶっ倒れてバッターの同情を買って空振りをさせる、なんていう老練老獪なこともやってはいましたが、ファンの声援は同じチームの大エースの息子といつも張り合っていました。もっとも、当時の50歳前後の年のとり方と、今の50歳の感覚とは全く違いますが。自分が50歳を過ぎたからそう思うのかもしれませんが、気持ちはいつまでも若く夢を追いかけたいものです。

葛西選手の胸に金メダルが輝くシーンが来るのを心から待ち望んでおります。

 

代表取締役 樋口繁樹

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